食物繊維で便秘が改善する理由とは?
便秘に良いと言われる食物繊維の働きについて、詳しくまとめています。腸内環境を整える方法や、便秘予防に効果的な食品もご説明していますので、ぜひ参考にしてください。
腸内環境の乱れが便秘の原因

腸内に住む悪玉菌の増殖が、腸内環境を乱す1番の原因です。悪玉菌は、腸が持つ、消化・吸収の働きを低下させることにより、便秘を引き起こします。
- 腸の働き
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- 小腸
- 胃や十二指腸から届いた食べ物をさらに消化し、栄養素を吸収します。
- 大腸
- 小腸で吸収された栄養分の残りカスが大腸に送られると、大腸は水分やミネラルを吸収することで固形の便を作りだします。
便秘になると、腸内に長時間便がとどまることになるため、悪臭を放つガスが溜まり、腸のぜん動運動が妨げられて、さらなる便秘を呼び込みます。また、この状態が長く続くことによって、ガンやその他の生活習慣病にもかかりやすくなるという悪循環が生まれます。
これに歯止めをかけるには、やはり腸内細菌のバランス、つまり腸内フローラを整えることが重要です。善玉菌が優勢の状態を保つことに成功すれば、腸の動きは活発になり、免疫力も高まります。
善玉菌を増やすことにより便秘予防する方法として、代表的なのは食物繊維を摂取することと言われていますよね。次の章では、食物繊維がどのように便秘解消するのかをご説明いたします。
食物繊維の働き
食物繊維は水溶性・不溶性の2種類に分けられ、それぞれ作用や特徴が異なります。あなたに合ったタイプの食物繊維が摂れるように、2つの違いをまとめてみました。
水溶性

粘性・発酵性・吸着性と3つの特徴をもち、ネバネバした食品やさらさらした食品に多く含まれています。
その影響が目に見えて現れるのが「お肌」です。お肌に必要な栄養が行き届かないと、乾燥してかゆみが生じたり、赤みが出たりといった、肌荒れ症状を引き起こしてしまうのです。
- 粘着性
- 糖質の消化吸収をゆるやかにし、血糖値の急激な上昇を防ぎます。
- 発酵性
- 善玉菌を増やし、腸内環境を整えます。
- 吸着性
- 胆汁酸、コレステロールなどを吸着し、排泄を促します。
不溶性

保水性・発酵性と2つの特徴をもち、豆類やキノコ類、海藻などに多く含まれています。
- 保水性
- 水分を吸収して膨張することで、ぜん動運動を活発にし排便を促します。
- 発酵性
- 善玉菌を増やし、腸内環境を整えます。
特徴 | 代表的な食物繊維 | 効果がある便秘タイプ | 多く含む食品 | |
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水溶性 | 粘着性、発酵性、吸着性 | 難消化性デキストリン | 硬い便 | 昆布、ワカメ、こんにゃくなど |
不溶性 | 保水性、発酵性 | セルロース・リグニン・キチン | 下痢 | 豆類、穀類、キノコ類など |
食物繊維の過剰摂取は便秘の悪化に…

便秘に良いとされる食物繊維ですが、不溶性食物繊維の摂り過ぎは、便を硬く滑りにくくしてしまうため、便秘を悪化させる原因になってしまいます。つまり、食物繊維は適量を摂ることが便秘解消に効果的なのです。
食物繊維の1日の摂取量は、18~69歳の女性で18g以上、男性で20g以上とされていますので、この数値を目安にしましょう。
また、食物繊維だけを摂るのではなく、オリゴ糖・乳酸菌といった、善玉菌が増えるのをサポートしてくれる成分を併せて摂ることがオススメです。
オリゴ糖は腸内の善玉菌の餌となることで善玉菌を増やしてくれますし、乳酸菌は善玉菌の餌となるほか、直接腸内に取り入れれば、自ら日和見菌に働きかけるなど、善玉菌そのものとしても活躍してくれます。
それぞれをバランスよく摂取することで、より便秘解消することができますので、意識して食品を摂るようにしてくださいね。食品を選ぶのや、食事量が多くなって大変、という方はサプリメントを使うのもいいでしょう。
- 便秘予防には、食物繊維・オリゴ糖・乳酸菌をバランスよく摂ることが大切
- 食品から摂るのが大変な方は、腸内環境を整える成分の入ったサプリを活用することがオススメ